2211 釈迦の教え/一切皆苦

仏教の教えには、この世の真理を解き明かす
4つのキーワードがあります。

一 切 皆 苦
人生は、自分の思い通りにならないことばかり
である。仏教における”苦”とは、単に苦だけ
でなく「思い通りにならない」の意味があり、
この”苦”には「四苦八苦」という八つの苦しみ
があります。
諸 行 無 常
人生ははかなくもむなしいものだ。
宇宙万物全てのものは移り変わり、また生まれ
ては消え去る
運命を繰り返し、永遠に変わらな
いものなどない・・
諸 法 無 我
自分の命も財産も、全て自分のものと思いがち
だがそうではなく、世の中のあらゆるもの全て
が互いに影響し合う因果関係によって成り立っ
ている。
自然環境も同様、絶妙なバランスのうえに成り
立っている。
そうした中で自分が「生かされている」ことに
気づくのです。
涅 槃 寂 静 」(ねはんじゃくじょう)
煩悩を脱し、あらゆる現象に一喜一憂すること
なく、苦しみから脱して「さとり」の真理に
到達した涅槃(ねはん)の境地に至ること。
仏教の出発点は「一切皆苦」人生思い通りに
ならないことを知ることから始まります。
何故苦しみが生まれるのか?仏教ではこの原因を
諸行無常
すべては移り変わるもの・・
諸法無我
すべては繋がりの中で変化していくという
真理にあると考えます。これら仏教の教えを
正しく理解したうえで、世の中をとらえること
ができれば、何事にも一喜一憂することなく、
心が安らいでいく・・
苦しみから開放されるのです。
これが仏教の目指すべき「涅槃寂静」”さとり”
です。

2210 怒りの感情をコントロールする6秒

上層部から大幅に引き上げられた月間の売上
目標。どうやって達成するか・・
営業方針などを話し合う会議の場で、
部下の無責任な発言に・・
「文句があるなら代案を出せ!」男性部長は会議中、
部下の言動に怒りを抑えきれず、思わず机を
激しく叩き、つかみかかった。
間を置いて部屋に戻った部長は部下に
陳謝した。
以後、首の痛みや手足のしびれを訴えた部下は
うつ病などの診断を手に、1ケ月後に退職。
部長と会社を相手取って、暴行で心身を傷付け
られたとして訴え、請求された賠償額は
1億4千万円。
これまで暴力はおろか、社内で人とのもめごと
1度もなかった部長・・部下に軽んじられた
とついカッとなって手を上げた。

部下の代理人に「机を強く叩くこと自体、
パワハラと思わなかったのか」と問われ、
「同い年の部下とのケンカと思っていた」と
釈明した。
ストレス社会に生きる管理職に欠かせないのが
自身の怒りの感情をコントロールする力だ・・
イラッとしたら・・
心の中で6秒数え、怒りのピークが通り
     過ぎるのを待つ

部長が怒りを6秒間飲み込んでいれば、
争いごとは起きなかっただろう。
”沸騰”した感情をいかに鎮めるか・・

ストレス社会の真っ只中にいる現代の管理職・・
仕事だけでなく自分自身をマネジメントする
能力が求められるのです。

1部上場企業で10年間中間管理職をしていた
私・・上層部からの厳しい目標達成要求に、
ストレスと苦労の連続だった。
その経験から、
人ごととは思えない、身につまされる事例です。

2209 韓国の書道/ハングル書芸

韓国にも複数の書道があることを知らなかった。
韓国でも中国や日本同様、漢字の書に似たハン
グル書芸が盛んだ。
日本では書道と言うが、韓国では書芸という。

国のことばであるハングルは、1446年朝鮮
王朝の世宗大王により公布された表音文字です。
母音と子音すべて
合わせると40個で、世界の
言葉の発音のほとんどを書き表せる。

数多くの漢字やひらがなを使う日本の書道に比べて
一見単純に見えるが、それだけに書芸は美的センス
が問われる難しさがある。
ハングル書芸には、主に4つの書体があります。

[ 板本体 ] (パンポンチェ)  写真左上
創製時の文字で、日本の漢字では「てん書」に
当たり、素朴で力強い字体です。

[ 正字体 ] (ジョンジャチェ)  写真右上
朝鮮王朝期に宮中の女官たちが、坂本体を発展
させた字体で、宮体と言われ、日本の「楷書」
に当たる。

民 体 ] (ミンチェ)  写真左下
民体は自由な書き方で、決まりごとがない。

フルリム体  ]     写真右下
フルリム体は、リズミカルで躍動感があり、
日本の「行書」に近い。

日本人で書芸を習う人は、韓流ドラマや料理に
興味を持った中高年の女性がほとんど・・
難しいけれど面白いという。