亡くなるまでの45年間、7千余卷の仏典を
まとめて教えを説かれた。仏典の要所に、
仏の道を説くときの喩え話が織り込まれて
その中の一つに「人間とは何か?」を説いた
「黒白二鼠の喩え話」がある。
釈迦の教え「黒白二鼠(にそ)の喩え話」
白骨が散らばる森に出た。ふと見ると、飢え
逃げ場を失ってしまった。
崖っぷちの一本の木に、藤ツルが垂れ下がっ
ている・・天の助け、ツルにぶら下がって間
一髪難を逃れた。

やれやれと崖下に目をやると、荒波が打ち寄
せ、白波が立っている。3匹の毒蛇が海面か
ら頭を伸ばし、獲物にありつこうと荒れ狂っ
ているではないか。
陸に目をやれば、野火の炎がこちらに向かっ
てきている・・木が炎に包まれたらそれまで
だ。
命を預けた頼みの藤ツル・・見上げると、
白と黒の2匹の鼠が、交互にカリカリつるを
かじっている。
鼠を追い払おうと、右に左に藤ツルをゆする
と、大きな蜂の巣に触れる。 驚いた蜂は、
旅人に襲いかかろうとする。
蜂蜜がツルを伝って垂れてきた。一口なめた
蜂蜜のなんと美味なこと。あまりの美味しさ
に・・虎や毒龍や野火や鼠の危険から、死が
目前に迫っているいることを忘れてしまった。