2238 ほめ方を間違えると かえって害になる

パリ五輪が幕を閉じて1ヶ月・・
数々の感動シーンがまだ記憶に新しい。
メダルにつながった選手もいれば、
悔し涙を流した選手もいる。

選手のスキルを上げたり、意欲を高めるため
に、多くの指導者コーチが試行錯誤し
ながら選手を励ましたことだろう。

アスリートの快進撃は、選手の努力だけでは
なく、良き指導者の存在があることを忘れて
はならない。
選手を不快にさせたり、肉体や精神に苦痛を
与えるパワハラやセクハラが、何かと問題に
なる昨今・・
指導者は指摘されることを恐れ、褒めること
に終始するようになるが・・
そのほめ方にも良し悪しがあるようです。

米コロンビア大学の心理学部で、
以下のような「ほめ方」の実験をした。
公立小学校5年生の児童400人を対象に、
難易度の”低い”テストを受けさせた。

本人の成績に関わらず各児童に「80点以上
だった」と結果を伝え、児童たちを無作為に
3つのグループに分けた。

Aのグループの児童には「頭が良い」とほめ
Bのグループの児童には「良く頑張った」と
努力をほめた。Cのグループには何も言わず
ほめもしなかった。
その後・・
能力をほめたAのグループは、難しい勉強を
避け、成績は下がった。
努力をほめたBのグループは、更に難しい
勉強に励み成績を伸ばした。
興味深いのは、何もほめなかったグループの
方が、能力をほめたグループより難しい問題
に励んでいたのです。
ほめ方によっては、その後の意欲や結果を
左右し、ほめ方を間違えるとかえって害にな
ることを示唆している。
       
    日経新聞「元気の処方箋」

Aのグループはイソップ物語「ウサギと亀」
能力を過信したウサギになっていたのかも。