2256 真偽不明の情報が拡散した兵庫県知事選

兵庫県知事選挙で、真意不明の情報がSNS
上に拡散した。公正であるべき選挙が歪めら
れたとしたら、ゆゆしきことです。
兵庫県議会の全会一致で不信任が決議された
ことを受けて失職した前知事が、出直し選挙
で返り咲いた。
前知事の知事選での勝因は、現役時の実績が
評価されたことによる。その原動力となった
のは、支持者によるSNSでの情報発信にあ
る。
知事失職直後は他候補に引き離され、再選は
困難と言われていた。しかし告示後、SNS
上に「前知事は悪くない」といった投稿が拡
散した。
前知事を養護するため、自殺した告白者の
名誉を傷つけるようなSNSの発信が相次ぎ
、前知事支持の論調が多数発信された。

その結果、公益通報を巡る本質的議論がかす
んで、前知事養護の声が大きなうねりとなっ
た。
7月の東京都知事選や先の衆議院選、米国の
大統領選でも、特定の候補や政党がSNS
発信を駆使して、予想を上回る躍進を果たし
ている。
SNSの情報は虚実入り交じっているだけで
なく、広告収入を目当てにした無責任な投稿
も目立つようになった。

選挙戦では、相手候補をおとしめることを
狙ったような投稿に影響され、民意が形成さ
れることになれば、選挙の公正公平が保てな
くなり、民主主義の危機を招くことになる。

読売新聞