2252 103万円の壁

自民、公明両党と国民民主党の政策協議で
焦点となっている「103万円の壁
本当に壁といってよいのか疑わしい。

過去、パートで働く主婦の年収が103万円
を超えると、夫の配偶者控除の適用がなく

り、世帯の収入が減少する逆転現象が起きた

しかし、今は手取りの逆転を防ぐ「配偶者
特別控除」があり、2018年の税制改正で
は、同控除の満額を適用する年収ラインが
150万円まで引き上げられている。

103万円の壁を超えて納税が始まれば、
給料の一部は天引きされるが、収入が増えた
からと手取りが以前より減ることはない。
壁というほどの就労障壁なのだろうか?

扶養家族となっている学生がアルバイトをし
て、年収103万円に達すると扶養から外れ
世帯の手取りは減る。

但し「勤労学生控除」を使えば、学生本人の
所得税の非課税枠は、130万円まで拡大す
る。
パートで収入を得ている専業主婦が
基礎控除」と「配偶者控除」という二重の
控除を受ける現状は、働き手の不公平感を
引き起こしている。

この点を放置したまま基礎控除を引き上げれ
ば、主婦パートへの優遇は更に厚くなる。
パートは増えるかもしれないが、女性がフル
タイムを見送る誘引になりかねない。

               日本経済新聞