2232 認知症患者と共生する社会

「お金を盗まれた」「物がなくなった」と、
一緒に暮らす高齢の母が頻繁に言うように
なった・・どうしたらいいか
わからない。
認知症の症状が出たとき多くの家族が戸惑う
のです。
80代の母が最近、部屋の中でずっと何かを
探している。大切な現金や通帳を失くさない
ように、引き出しの奥にしまい込んで・・
しまい込んだ場所を忘れてしまったようです。
 

嫁に「お前が隠したんだろう」と突っかかる。
誰も物を取ったり、隠したりしていないのに
認知症状で「盗まれた、嫁が取った」と思い
込んでいるのです。

お昼ご飯を済ませて1時間もしないのに、
「ご飯はまだ」と台所をうろつく・・

認知症になると、新しいことを記憶するのが
難しくなる。引き出せる記憶がなければ、
少し前に起きた出来事でも、その人にとって
は「無かったこと」になる。

ここにあったはずの財布や車の鍵が、
突然目の前から消えたら、誰でもあわてます。
探し続ける物は、その人にとって大切で愛着
のある物が多いのです。

しかし「忘れてしまった」ことを自覚するの
は難しいのです。自分にとって大切な物が
無くなることが重なると、身近にいる家族を
疑ったり、怒ったりするのです。