2217 エベレストで命を落としたジョージ・マロリー

1962年9月、アメリカ大統領ジョン・F・
ケネディは、アポロ計画を推進するスピーチで
ある男の言葉を引用した。

『かってエベレストで命を落とした偉大な登山家
ジョージ・マロリーは、なぜ登るのかと問われ、
”そこに山があるからだ”と答えた。
私はそこに宇宙があるからやるのだ・・  』
世界で一番高いエベレスト頂きに挑み続けた
イギリスの登山家ジョージ・マロリー。

『 エベレストは冷酷で危険な魔の山だ・・
正直なところ勝ち目はないかもしれない 』
1999年、8848㍍エベレスト北面8160
㍍の斜面でうつ伏せの遺体が見つかった。
ミイラ化していた・・ジョージ・マロリーだ。
1924年、誰も到達していない頂上まであと
わずかに迫り、消息を断った。
最後に目撃された場所から500㍍下・・

75年もの間マロリーはそこに眠っていた。
頂上に到達したのか?それとも届かなかったの
か?謎は残されたままだ。

『Because  It’s there
そこにそれがあるからだ』
と応えたその言葉には続きがあった。
『エベレストは世界で一番高い山だ・・
その頂きに到達 したものは一人もいない。

その存在自体が挑戦なのだ。エベレストに
登るのは、宇宙に到達したいという人間の
欲望の一部であり本能なのだ   』

エベレスト、8848㍍の頂上に人間は到達
できるのか?
8千㍍を超える高所はデスゾーンと呼ばれ、
酸素は地上の1/3。猛烈な風が吹き荒れ、
気温はー30度を下回る。

マロリーが果たせなかった初登頂は、
29年後の1953年、ニュージンランドの
登山家ヒラリーとテンジン、二人の男によって
成し遂げられた。