2169 「吉村外喜雄のなんだかんだ」
「人とAI ロボットが共に働く時代へ」
急速に進化するAI が、小売や飲食業の現場を変えようと
している。人手不足への対応で、近い将来人の能力を超え
たAI が、売り場の主役になるだろう。
人口約2万6500人の福岡県の小さな町の一角で、
最先端の技術が詰まったスーパーが24時間営業している。
レジのカメラに顔をかざし、登録した顔の情報をAI が本人
かどうかを判別して会計を済ませる。
店内各所に設置したAI カメラが、惣菜や弁当の売れいき
を判断し、仕入先へ発注する。約1000平方㍍の店内で、
4倍の規模の他店と同等の品揃えを可能にしている。
『AI を活用したテクノロジーを導入しなければ、人口減
の未来を生き残ることはできない』 と社長は語る。
日本の人口が1億人を切る2050年代半ばを待たずとも
、様々な職種で人手不足に見舞われる時代が来る。
特に、人手に頼る小売業や飲食業などの労働集約型の
産業は、深刻な人手不足に悩まされるだろう。
未来を見据え、店頭ではAI やロボットによる省人化の
取り組みが広がっている。
ファミリーマートは24年度までに、冷蔵陳列棚にある
飲料を「自動充填するロボ」を300店で導入する。
蕎麦ロボットの開発も進み、蕎麦ゆでからぬめり取り、
水で締めるまで、すべてロボットが自動でやる。
ロボが労働を代替する「不労社会」に向け、様々な分野で
技術開発が進行する。
大阪王将では、冷凍ギョーザの製造ラインで、不良品チェ
ックをAI に任せたところ、人員を3割減らすことができた。
日本経済新聞