ハチバンラーメン・アジアで攻勢
■ 8番ラーメン1号店の記憶
今から55年前、八番ラーメンの人気を聞き
つけた私・・加賀市箱宮まで約1時間、
小松市JR粟津駅から先はまだ未舗装の
でこぼこ道を、軽トラックに揺られて食べに行った。
店はカウンターのみ。5~6人座れば満席に
なるバラック。背後の壁には当時まだ珍しい、
フランチャイズ募集と、 手書きのポスターが
貼ってあった。
ところで、味はどうだったか? まったく記憶にない。
2164 【吉村外喜雄のなんだかんだ】
「ハチバンラーメン・アジアで攻勢」
ハチバン創業者・故後藤長司氏は、芝すし創業・故梶谷
忠司氏の勧めで、1967年加賀市の箱宮に、国道8号に
ちなんで命名したラーメン1号店を開いた。
その後、炒めた野菜たっぷりのラーメンが人気を呼び、
北陸を代表するソールフードに成長。現在、国内の店舗数
は115店。
タイの繊維会社のオーナーが石川県に出張した折、
8番の味に感動。ハチバンと海外初のフランチャイズ契約
を締結し、1992年バンコクに初出店した。
地元に受け入れられる味と価格を実現するためのカギと
なるのはセントラルキッチン。地元でとれた野菜を刻み、
麺やスープと各店舗にスピーディ配送した。
現在タイ国内の店舗数は、日本を上回る159店舗。
タイで最も人気のあるラーメン店に育った。
日本円で480円と手頃な価格に加え、現地の味になじむ
新メニューを次々開発し、ヒツトさせた。
コロナが収束に向かう今春から、ベトナム・香港、東南
アジアへの本格出店を開始した。
タイでは、経済成長が著しい地方に照準を合わせ、現在の
店舗数7割增を目標に、毎年10店舗ほどのペースで増や
していく。
ベトナムは19年に1号店出店。新型コロナが治まった
今年、ホーチンミン.に2号店を開店。年内に更に1.店舗
増やして、50店舗を目標にする。
タイ進出から31年・・同国の若い人の中には、地元の
ラーメンチェーンと勘違いして、北陸に観光旅行したとき、
「日本にも8番があるんだ」と驚いたという。
日本経済新聞