■失われた信頼/ビックモーター
全国に263店舗を有し、金沢周辺にも3店舗展開
する中古車販売大手ビックモーター。
保険金不正請求をめぐって、組織的かつ意図的な
不正行為が次々と明るみに・・雪印同様、顧客の
信頼を失墜したビックモーターは、存続できるだろ
うか?
2153 【吉村外喜雄のなんだかんだ】
「失われた信頼/雪印乳業」
グループの売上が1兆円を超え、乳製品のトップメーカー
として君臨していた雪印乳業・・
創業から75年目の2000年6月11日、雪印製品による
集団食中毒発生・・被害は1万3千人を超え、戦後最大の
食中毒事件になった。
事件への対応の不手際、情報開示の遅れが、世間の非難を
浴びた。そのわずか2年後、今度は子会社雪印食品が、
輸入牛肉を国産と偽り、牛肉偽装事件が発覚・・
又も繰り返される不祥事で、ブランドの信頼は失墜・・
雪印グループはタイタニックのごとく、解体に追い込まれ
ていった。
消費者の信頼を得るには、長い間の企業努力がなければ
ならない・・その信頼が”一瞬”にして失われてしまった。
「もう見たくない、触りたくない、聞きたくない、知りた
くない」・・消費者は心を閉ざしてしまった。
伝統ある企業なのに、なぜ事件が起きてしまったのか?
食中毒の公表をためらっている間に、被害が爆発的に拡大
していった。食中毒発症者3,789人に。
7月8日には発症者1万3,455人に・・戦後最大の
食中毒事件になった。
社長が事件を知ったのは、第一報から2日後。
なぜ社長に重大な情報が届かなかったのか・・
危機管理に対応する社内体制が出来ていなかったのです。
失敗 1
『情報情報が迅速にトップに届く、危機管理体制が整って
いなかった』
失敗2
『安全・安心の商品を提供するという意識が欠落していた』
■ 2発目ごう沈の原則
最初の事件が起きた、その後の対応の悪さが致命傷になる。
食中毒発生後の「初動の遅れ」が致命傷に!
更に追い打ちをかけるように、牛肉偽装事件が発覚・・
ごう鎮した!
回収の遅れが問題になった。上層部への伝達の遅れ、
事件への対応・決定の遅れが致命傷になった。
最初に公にして、注意を喚起したのは保健所だった。
迅速に対応し回収できていたら、被害を最小限に食い止め
られただろう。これほど悲惨な食中毒事件にならなかった
だろう。