2145 「吉村外喜雄のなんだかんだ」
心と体の健康
「日立の挑戦/AI で社員の幸福度を測る」
「相手のいいところを見つけましょう」
「15分だけ昼寝をしては・・」
毎朝、スマートフォンにメッセージが届く。
日立製作所が行っている「AI 情報サービス」です。
「人の幸福度を測る」という日立独自のAI 技術・・
人が幸せを感じた時の呼吸や心拍数、筋肉の微妙な伸縮
などが、無意識の変化に表れる・・
スマホアブリのセンサーが10秒ごとにデーターを取得す
る。
15年間にわたって集めた、1千万日分の実証データーを
活用して、A I が個人別にはじき出す”幸福度”に応じ 、
その改善に役立つメッセージを自動的に作成し、送信する。
実証実験では、幸福度指数が平均33%向上した。
これは、営業利益を10%押し上げるのに相当する。
21世紀に入り、経済の主役がモノからアイデアやノウハ
ウといった”知”に移るにつれ、従来のやり方では企業の
成長は困難になった。
その典型が、20世紀の製造業の競争で優位に立っていた
日本だ。モノづくりが中国など新興国に移る中、
知の競争に対応できる企業システムの構築に出遅れた・・
熱意をもって仕事をする社員は僅か5%・・日本は世界の
最低に沈む。仕事の熱意が高いと生活満足度も高くなる。
30%を超える米国、20%前後の北欧諸国を大幅に下回
る。
「考える力」が問われる時代に、社員が仕事に情熱を持て
ない状況では、企業の成長は望めない。社内の幸福度の
低さが、企業の成長を阻み、社員の不満を高めていく。
企業収益が低迷し、賃金も低いまま・・それが社員の仕事
への意欲を萎えさせ、生産性も低くなる。
そんな悪循環から抜け出す第一歩は、”挑戦”が報われる
仕組みを整え、社員のやる気を覚醒させることから始まる。
日経新聞