2135 【吉村外喜雄のなんだかんだ】
「一切の失敗を許さない社会(4)」
以下は、OAK・TREE6月号からの抜粋です。
今の社会は、すっかり変わってしまった。
不信感が街中に満ち溢れ、怠りなく用心しなければならな
い社会になってしまったのです。
これらのことをよくよく考えてみると、「デジタル思考」
というところに行き着くのです。全ての物事を1か0と
いう、2つのどちらかを選択する思考法です。
一方が正しければ、もう一方は間違い。一方が利益を得れ
ば、もう一方は損をする。人は味方でなければ敵・・
このように、何もかも二分法で考えてしまう思考法です。
そして、白か黒かではなくて、その中間のファジーな部分
にこそ、本当の答えがある・・などと言うと、そんな曖昧
なものは答えにならず、受け入れられないと、拒絶されて
しまうのです。
その結果、自分の考え方のみならず、その生き方にも曖昧
さが許されない社会になってきているのではないでしょう
か・・
これはおそらく1か0の数値しか持たないコンピューター
に、人間が合わせる対応を行っていく中に、必然的に生み
出されてきたものではないでしょうか・・
この論理の怖いのは「正しくなければ間違い」ということ
にある。正しいことは一つ・・その一方で否定する間違い
を数多く見出すことができることを、知っておかなければ
ならないのです。