2125 【吉村外喜雄のなんだかんだ】
「本物に近づきつつある代替肉」
見た目も”鶏のむね肉”そのものだった。
米サンフランシスコ郊外にある米イート・ジャストの本社。
丼の上に乗った3切れの「照り焼きチキン」は普段食べて
いる鶏肉と見分けがつかなかつた。培養液で増殖させた
細胞を集めて作った「培養肉」だとは・・言われなければ
気付かない。
食肉の代替品として工場で生産される肉が”本物”に
近づきつつある。
従来は大豆などを原料とし、味や食感が肉とかけ離れた
ものが多かったが、細胞培養や発酵、A Iの技術が進化し
、おいしさが増しているのです。
代替技術は「牛乳」にも広がる。牛の遺伝子を酵母に注入
し、牛乳と同じタンパク質を作らせる。畜産の代替技術は
生産に必要な土地は酪農の1%、水も10%、温暖化ガス
も3%しか排出しない。
気候変動による食糧危機を解決する、潜在力を秘める。
味や肉質などで選んだ最高品質の鶏の細胞を使い、
巨大なタンクの中で栄養を与えて半永久的に増やしていく。
この一部を収穫し、肉らしく成形したら完成です。
生産にかかる期間は4~6週間と、食用鶏の8割程度で済
む。無菌状態で培養するため、市販の鶏肉に比べ大腸菌
などの量が極めて少ない。
ジャスト社のCEOは 『もはやSFではない・・人類の歴史
で初めて動物を殺さずに肉を提供できるようになった』
と話す。
その他、大豆や小麦などからなる「植物肉」、微生物の
発酵作用で作る「発酵肉」がある。現在市場に多く出回っ
ているのは植物肉だが、肉の味や食感を再現しきれずに
いる。
日本経済新聞