2091 「吉村外喜雄のなんだかんだ」
「マグロ初競り/史上最高の3604万円」
新春恒例の初競りが豊洲市場で開かれ、4日に水揚げ
された212キロのクロマグロが、3.604万円の史上
最高値で競り落とされた。
1キロ当たり120万円・・何と、1貫約2万4千円になる。
東京を中心にチェーン店を展開する「すしざんまい」が、
住宅が買えるほどの、ご祝儀相場を遥かに超える高値で
落札した。
さくらんぼの高級品種「佐藤錦」も500㌘130万円と、
過去最高の高値を付けている。
石川県の高級ぶどう「ルビーロマン」も、昨年の初競りで
過去最高値の1房150万円で落札・・1粒あたり5万5
千円と、豊洲落札マグロの2倍・・宝石を口に入れるよう
だ。
初物を食べると寿命が75日延びるとされ、昔から珍重
されてきた。 江戸時代の俳人山口素堂の句
「目に青葉山ほととぎす初鰹」は、初夏の初鰹が初物の
代表格だ。
鮭、松茸、ナスと合わせて「初物四天王」と呼ばれる。
当然、価格もぐんと跳ね上がる。物価の高騰を恐れた
幕府は、再三禁止令を出して販売時期を規制している。
さて、2月には7千品目を超える消費者物価が、一斉に
値上げされる。懐の厳しい庶民には、口にできる代物では
ないが、心が踊る。
日経新聞「春秋」より