週2回メールマガジンの投稿を始めて
続けること20年になりました。
来年も「なんだかんだ」 よろしくお願い致します。
2088 【吉村外喜雄のなんだかんだ】
幸せな人生 「仏の教え/忘れられない過去」
誰しも2つや3つ、胸の奥に秘めた忘れられない過去を
もっている。
その昔、盤珪和尚という立派な和尚さんがいた。
ある時、村人から嫁姑の悩みについて相談された。
「あのとき嫁がこんなことを言いよった」
「あのとき姑があんなことをしよった」
と、思うさかいに腹が立って憎くなるけれど、それは記憶
が憎いだけであって、記憶さえなくしてしまえば、
嫁も姑も憎いものではない・・と和尚さん
過去の記憶を、自由に消し去ることが出来たらいい・・
が、実践するのは難しい。それなら、過去の記憶を無理に
忘れようとしないことです。無理に思い出そうとしないこと
です。
忘れようとすればするほど、忘れようという気持ちに支配
される。逆に、せっかく忘れかけている思いを、思い出そ
うとすると、結局またその記憶に苦しむことになる。
ではどうするか・・ほうっておくのが一番!
心というのは、水面(みなも)と同じようなもので、
水面に石をぽんと投げると、波紋がどんどん広がっていく。
それを無理に収めようとして棒きれを水に入れても、
余計水面が揺れて、新たな波紋となり広がっていく。
水面を穏やかにするための一番の早道は、何もしないこと
です。
しばらく放っておいたら、水面は穏やかになる。
過去の出来事を、いくら悔やんで悩んだところで、
過去は変えられない。変えられないことを、あれこれ考え
悩んでも、解決しないのです。
その時は、自分が一番良かろうと思って精一杯やったこと
です。それはそれでいいじゃないですか・・
過去の思いに苦しんでいる人がいたら、無理に忘れようと
しないことです。無理に思い出そうとしないことです。
臨済宗 桂 紹寿