2083 「吉村外喜雄のなんだかんだ」
日本人のアイデンティティ 「クールジャパン」
観光で初来日した西欧人が最初に訪れるのは、京都と奈良。
千数百年の歴史を現代に残す町並みに、言葉もない。
すべての建築物が西欧のものとは異なっており、宗教的な
ものを感じる。とくに寺院や神社、心を静寂にする日本庭
園、水が流れる音などは、まさに哲学の世界だ。
日本ならではの体験、日本にしかないモノやコト、日本人の
生活様式や思考・・物質主義的な世界で暮らす西欧人には
日本は平安のオアシスであり、見るものすべてが衝撃的で
愛着を感じ、日本と日本人に魅せられるのです。
日本人特有のおもてなしの心、礼儀正しさは、おとぎ話に
出てくるような、夢の国に思えてくる。
「日本に来てこれはクールと思ったことは何?」と訪ねた
ら、「洗浄機付き便座、ママチャリ、アイスコーヒー」
「なんでアイスコーヒーなの?」訊ねたら、西欧にはなく
日本に来て始めて飲んで、感動したから・・
クールではないと言われたことに「音を立てて麺をすする」
「娘が父親と風呂に入る」「初対面で年齢を聞く」などが
ある。
日本にはおいしい食べ物がふんだんにあり、安全で安心
して暮らせる日本は、世界一暮らしやすい国なのです。
日本は欧米を超える近代化を成し得ている。その一方で、
音楽、絵画、演劇など諸々の芸術文化の分野では独自の
伝統を持ち、更に和食と洋食、和室と洋室、和菓子と洋菓
子など、衣食住全般にわたって両者を併存させてきた歴史が
ある。
指揮者/リッカルド・ムーティ