2079 【吉村外喜雄のなんだかんだ】
歴史から学ぶ 「韓国内の根強い地域差別」
長い歴史を持ち、韓国社会に根付く身分制度・・支配階級
の両班、奴隷階級の賤民・・韓国ドラマに見られる、社会
に潜む差別意識は根深いものがある。
韓国内に於ける”地域差別”の根深さもまた、日本人の
想像を超えるものがある。
韓国の地域感情の対立は、新羅があった韓国東部の慶尚道
と、百済があつた韓国西部の全羅道に集約される。
朝鮮王朝時代、全羅道南端沖合の済州島は、政争に負けた
王族や両班の流刑地となり、全ての島民は「出陸禁止令」
によって、島から出ることは許されなかった。
943年朝鮮半島初の統一国家を建国した、高麗の始祖・
王腱(ワン・ゴン)は遺訓を残している。
「全羅道地域からは国政を担う人材を登用してはならない」
この遺訓が、全羅道からの人材登用を厳しく戒める歴史に
なり、治国の基本理念となって、現代にまで影響するよう
になった。
11人の歴代大統領の多くは慶尚道出身で、全羅道出身は
金大中ただ一人・・
出身地をめぐる「地域差別」・・木浦(もっぽ)や光州など
の全羅南道一帯は「湖南」と呼ばれ、東部の人たちから
「湖南のやつらは信用できない」と疎んじられてきた。
対立する地域の男と女が結婚しようとすると、親族から
強い反対の声が出ることを覚悟しなければならない。
また、上司の出身地域によっては、昇進や処遇に影響が
出た。
今から20年ほど前までの韓国国鉄は、慶尚道の釜山や、
南東沿岸の慶州に向かう列車は綺麗だった。
が、全羅道の光州・木浦への列車は汚れていて、座席から
バネが出ていた。