2070 「吉村外喜雄のなんだかんだ」
食と健康 「韓国の食事作法」
数年前、韓国と日本の民間交流で全羅南道知事を訪問した。
懇談会の後、本場韓国の会席料理と宮廷料理のもてなしを
受け、マッコリを飲んだ。
テーブルには、金属製の食器に盛られた料理が所狭しと
並べられていた。
韓国で食事をするとき、テーブルに大きな万能ハサミが
置いてある。”骨付きカルビ”が網の上で焼き上がったら
、ハサミで食べやすい大きさに切り分ける。
半株丸ごと皿に盛られた”白菜キムチ”も食べやすい大き
さにハサミを入れる。使ってみると気軽に扱え、上手に
切れて便利です。
韓国料理の食べ方をみると、ご飯を食べるときと汁を飲む
ときは”さじ”を使う。”箸”はお膳に並べられた料理を取る
ときと、麺類を食べるときに使う。
さじと箸を上手に使い分けているのです。
日本の箸はほとんど木製です。
韓国は割り箸を除けば、金属製か銀製です。
韓国のお店には、さじと箸の美しいセットが売られている。
食事のマナーは日本とそれほど変わらないが、大きく異る
のは、日本人は食器を左手に持って食べる。
韓国人は食器をお膳に置いたまま、左手で押さえて食べる。
韓国では、食事中に器を持ち上げたり、器に口をつけて
食べるのは見苦しく、不作法なのです。
日本人は、韓国人を見て「犬食いでみっともない」と言う。
一方韓国人は、日本人を見て「食器を手でつかまえて
いなくても逃げたりしないのに・・」と揶揄する。
食べ方にも順序がある。まず”さじ”でキムチの汁を一口
含み、それからご飯を口に入れる。
そしてご飯を飲み込む前に、汁をもう一口味わう。
これは、古くから宮廷に伝わる食事の作法で、それが庶民
の間に広がったのです。