2059 「吉村外喜雄のなんだかんだ」
幸せな人生「取りにくかった男性の育児休暇」
人口減少が加速する中、対策に乗り出し成果を上げている
国がある。ロシアに隣接し、NATOに加盟申請したこと
で話題になったスゥエーデンです。
スゥエーデンは世界的不況の1930年代出生率1.7%
と、かって経験したことのない出生率の低下に直面した。
当時、多くの女性が働くようになったことが、少子化の
原因になった。
働く女性が仕事を辞めず出産しないことを問題視し、
出生率の低下の責任は女性にあるとされた。
一方、働く女性が子供を生み育てるのが難しい社会の方に
問題があるとの主張もあった。
政府は、子育ての責任やコストは社会全体で負い、
未来の労働者である子供への投資を国が行うことにした。
補助金を投入し、質の高い保育サービスの提供を開始した。
多くの女性が働き出したため。出生率は一時落ち込んだ。
2002年には親が払う保育料に上限を設け、第一子の
場合、世帯収入の3%までとした。
スゥエーデンの専業主婦はわずか3%。父親に割り当てら
れた育児休暇は、子が8歳になるまでに、両親合わせて
480日の育休が取れる。
そのうち最低90日は父親に割り当てられている。
今では480日の3割、160日間父親が育児を担当し、
母親は勤めに出ていく。
現在取得率は90%を超える。育休中の給与は80%保証
され、育休を取得しなければ給付金を受け取る権利を失う。
90日間しっかり取らないと損をするのだ。
日本の男性育児休暇制度は「6ヶ月以上、全額支給」
男性の育児休暇期間が、先進41カ国で最も長い。
にもかかわらず、日本で父親育児の取得率が上がらないの
は、「取りにくい職場の雰囲気」「会社に迷惑がかかる」
といった意識が働くため・・
スゥエーデンは資源の少ない小さな国なので、国も企業も
優秀な人材を集めようとする意識が高い。
女性が働くのは普通で、大臣も女性が半数を占める。