2016 【吉村外喜雄のなんだかんだ】
女(男)の言い分 「女性が活躍できる社会へ(2)」
30歳の頃、私は住宅メーカーで出先の所長をしていた。
当時女子社員は、結婚適齢期25歳を過ぎると「売れ残り」
と陰口を叩かれたものです。暗に”寿退社”を求められた
時代だったのです。
当時私の会社は、社長、専務、常務に次ぐ取締役は女性で
した。経理課長、総務課長、資材課長が女性で、経験豊か
なおばさん中間管理職が、各部門を仕切っていた。
また、設計積算部には「行かず三羽ガラス」と陰口を叩か
れる、独身のベテラン女女子社員が頑張っていた。
女子社員は、男子社員より早く出社する。
清掃、湯沸かし、お茶入れ、電話応対、事務、会議資料
作成など、男子社員の補佐が主な仕事でした。
女性は仕事が出来ても、管理職に登用されることのない
時代。
建設会社は男の職場です・・当時、非同族会社で中間管理
職に複数の女性がいる建設会社は珍しかった。
上司に女性の取締役がいたことで、女性の管理職が育った
のです。
その会社を十年勤めて脱サラに踏み切った。
建設会社から、女性を対象とし、女性を戦力にする化粧品
販売の仕事を始めた・・周りからは180度の転身と言わ
れた。
起業後、直ぐに始めたのは、北陸三県に販売代理店を配置
すること。結婚し子育て中の主婦を、社会に復帰させる。
夫の収入に頼らずに経済的に自立した女性を育ててい く。
クリーニング取次店や、写真フイルム取次店の募集が盛ん
に行わ れていた頃です。
起業5年後には、成長した彼女たちの頑張りで、月商
2500万円の会社になっていた。
従業員50人に満たない零細企業が、大卒の優秀な男性
社員を雇用して事業拡大を図るのは、縁故採用でもない限
り無理・・難しいのです。
家庭に引きこもっている女性を再雇用し、結婚前に身につ
けたノウハウを活かしていく方が、容易なのです。
未経験の仕事でも、能力を引き出せば大きな戦力になる・・
「脱サラで成功するのは10人に1人」
男性が切磋琢磨する市場に、男性社員を戦力投入しても、
競争が激しく難しい。失敗したら再起不能に・・
失敗しないためには、女性を対象にした市場で女性を戦力
にした事業なら成功すると、脱サラに踏み切ったのです。