2007 【吉村外喜雄のなんだかんだ】
「金沢の名前の由来、芋掘り藤五郎」
兼六園の一番奥、石引側の兼六園出口を出たところに
金沢神社があり、その神社に隣接して「金城霊沢」と 呼ば
れる泉がある。観光名所の一つだが、訪れる人はまばら。
語り継がれる民話によれば、かって藤五郎という若者が、
芋の根に付いている砂金をこの泉で洗ったという。
その言われから「金洗沢」(かねあらいさわ)と呼ばれ、
城下町”金沢”の名前の由来になった。
民話では・・芋を掘って暮らしていた藤五郎は、無欲で
正直者。ある日、大和の国(奈良)の長者がやってきて、
観音様のお告げがあったと、長者の娘和子を娶ることに
なった。
貧乏暮らしを心配した和子の親は、藤五郎に砂金を一袋
手渡した。ところがその価値が分からず、せっかくの砂金
を農作業中になくしてしまった。
悲しむ和子に、芋を掘れば根っこにくっついてくると・・
夫婦は芋を掘って泉で洗うと、芋の根には金色の粒が
キラキラ光っていました。
この砂金のおかげで藤五郎夫婦は幸せに暮らしたという。
現在も藤五郎伝説にあやかり、金運成就を願って泉に
お金 を投げ入れる人が跡を絶たない。
金沢神社の宮司によれば、金城霊沢にすむ竜神さまは
金物が嫌いだそうで、小銭の投げ入れは遠慮した方がよい
と言 う。そして・・
「息を止めて霊択のあずまやを3回ると、願い事が叶い
ますよ」 と、宮司がこっそり教えてくれた。
読売新聞