1944 【吉村外喜雄のなんだかんだ】
心と体の健康 「どんな死に方をしたいのか?」
ほとんどの人は「どんな死に方をするか自分で決めたい」
と思っている。
患者の意思を尊重するための取り組み”ACP”は、
欧州で40年近い試行錯誤の末に生まれている。
ACPとは・・
「もしもの時に備えて、自分の医療に関する希望を話し
合い、文章に残しておく手順」のことを言います。
また・・
「自己決定能力を失った際に、自身に行われる医療行為
への意向を、意識がまだ清明な時に表明しておくこと」
と定義している。
ところが、命の危機が目前に迫った状態になると、約7割
の人が医療やケアを自分で決めたり、望みを人に伝えたり
出来なくなってしまう。
”延命治療”を望まず「尊厳死協会」の会員になっていて
も、突然家で倒れたら、驚いた家族がとっさに救急車を呼
び、救急治療室に搬送されてしまう。
人工呼吸器をつないで、本人が望まない「延命治療コース」
に運び込まれてしまうのです。
「こんなはずではなかった」と、本人も家族も後悔するこ
とになるのです。
一方で医師は、患者が亡くなった後、家族から延命治療の
不備を訴えられることを恐れ、ACPに従わない医師が
存在するのも現実です。
人生の終末期、命にかかわる万が一の事態になった時、
「どんな医療やケアを希望するのか」を、家族や掛かり付
けの医師との間で、繰り返し話し合っておく必要があるの
です。