1929 「吉村外喜雄のなんだかんだ」
「コロナ後の温暖化ガス削減計画」
世界を大きな混乱に陥れた新型コロナの危機が、
思わぬ副産物を生んでいる。
都市封鎖や工場停止で経済活動が収縮し、温暖化ガスの
排出量が19年比で24億㌧、7%減少したのです。
世界第3位の排出国のインドでは、「ヒマラヤ山脈をこん
なにきれいに見たのは初めて」と・・
コロナ禍後の経済刺激政策の第一は
「脱炭素の新たなインフラ整備に重点投資していくこと」
がある。
「グリーン産業革命」を唱える英国の戦略は・・
30年までに洋上風力で全所帯の電力を賄えるようにする。
温暖化ガスを排出しないバスを数千台規模で投入し、
道路には自転車レーンを拡充する。
ドイツは、30年までに洋上風力を500万㌔分引き上げ
、自動車の水素ステーションを増やす。
米国のバイデン大統領は、グリーン刺激策に2兆円を投じ
、50万ケ所に充電施設を整備し、政府の公用車をすべて
EV車にするなど、炭素排出の少ない公共交通機関を拡充
する。
コロナ禍後の経済刺激政策の第ニは、
「産業の立て直しを単にコロナ前に戻すのではなく、
温暖化ガスを減らす方向に事業転換させていくこと」
がある。
仏政府は、CO排出の少ない航空機を導入し、鉄道と競合
する国内路線を廃止するなど、産業を立て直しながら脱炭
素を進めていく。
デンマークは20年から6年間で、家庭用暖房設備を環境
に優しいタイプに集中的に変えていくための補助金を出す。
日本の経産省は、2020年代後半には、日本のCO2
排出量の20%を占める自動車に、温暖化ガスの排出枠
取引制度を導入すべく、検討に入った。
メーカーにEV(電気)自動車などの販売比率目標を設け、
届かない時は、達成済の企業から排出枠の買取りで、
補わせる。
さらに政府は2030年代半ばまでに、新車販売は軽自動
車も含め、EV車のみにする方針だ。
日経新聞