1927 【吉村外喜雄のなんだかんだ】
「仏教の教え/般若心経・不生不滅(3)」
生を受け、亡くなるまでの間に、この世に生まれたことに
意味を持たせることができるなら、「不生不滅」が現実の
ものになってくる。
名古屋から金沢までのバス路線を、桜の木で結ぼうと、
たった一人で苗木を植え続けた人がいる。
佐藤良二さんです。
佐藤さんは、名古屋から岐阜、富山を経て金沢に至る、
長距離路線「国鉄バス・名金急行線」の車掌さんです。
1953年に入社。岐阜県美濃白鳥営業所に配属される。
御母衣ダムの建設に伴い、水没地にある桜の木の移植作業
に携わった。
名金線の路線沿いに移植された”荘川桜”が再び開花した
時、花見に来ていた老婦が桜の幹に抱きつき、泣いている
のを目撃した。
心を動かされた佐藤さんは、1966年から金名線沿いに
桜を植え始めた。バスの車掌業務の合間に、私財を投げう
っての植樹活動でした。
生涯をかけ、約2000本の桜の苗木を植え続けた佐藤
さんですが、1977年47歳の若さで病死した。
佐藤さんの死後国鉄は民営化され、バスの車掌という職場
もなくなり、名金線も廃止された。
佐藤さんの死後、志は有志たちに受け継がれ、植えられた
桜は、名金線沿いに今も鮮やかに咲き続けている。
名金線が廃止される日、美濃白鳥駅でセレモニーが行われ
、 白鳥町長が佐藤さんの功績を讃えた。
その後、名金線は彼なしには語られず、没後40年を経た
今でも、地元民から敬愛されているのです。
仏教が唱える「輪廻転生」へと繋がっていくのです。