三十代後半まで、一部上場企業の子会社で、
営業職の中間管理職をしていた私。
目標を達成するため、毎日14時間有給休暇
も取らず部下を叱咤し、猛烈に働いてきた。
企業が実力一辺倒、成果第一主義で能力
評価するジョブ型を導入するなら、24時間
仕事漬け・・売上競争に明け暮れ、砂を噛む
ような人生になってしまうだろう・・
とても受け入れる気にはならない。
1905 【吉村外喜雄のなんだかんだ】
「ジョブ型人事は急ぐべきか?」
今、日本を代表する企業は次々と成果重視の
「ジョブ型」を導入しようとしている。この新たな人事制
度は、私たちの働き方をどのように変えていくのだろうか
・・
ジョブ型は、職務を明確に切り分けて、その職務をこなし
ていれば、学歴や人格的評価、性別などで評価が分かれる
ということはなくなる。
明確な基準になるなら、それは従来の働き方に変化をもた
らす可能性が大きいのです。
ただこれまで、日本の企業が雇用の改革を進めようとして
も、大概失敗に終わっている。
それは、働く人たちの合意が得られなかったからです。
成果主義を導入するといっても、どうやって社員を評価
すればいいのか・・
成果が得られる部署に就けられた人と、そうでない部署に
つけられた人を、公平に評価できるだろうか。
高学歴の能力の高い社員には魅力ある制度だろうだが、
「2:6:2の法則」で落ちこぼれ、やる気をなくす社員も
出てくるだろう。
社員の定着率低下を招き、生産性が下がってしまう・・
そんなことにならないだろうか?
こうした問題が解決されないまま、成果主義を導入して
も、うまくいかないのです。
日本の働き方改革が、コロナショックをきっかけに、
能力的に強い立場の人は責任が問われず、優遇される。
弱い立場の人が責任を押し付けられ、閉職に追い込まれる。
こんな体質の企業で、部下にジョブを与え評価する日々。
更に、管理職として能力も試され、評価される。
そんな成果一辺倒の企業では、社員間の融和など望むべく
もない・・