1901 「吉村外喜雄のなんだかんだ」
幸せな人生 「孔子/苛政は虎よりも猛し」
孔子が門弟たちと山東省の名山、泰山のふもとに立ち寄っ
たときのことである。
一人の婦人が小さな墓の前に座り、大変悲しそうに泣いて
いる。なぜ泣いているのか?
弟子の子路に尋ねさせたところ、婦人はこう答えた。
「 このあたりには虎が出没する。かって舅が殺され、
夫も虎にやられ、自分の子も虎に遭って死んだ 」
それほど危険な土地に、尚もとどまっているのは何故か?
と重ねて訊いた。婦人の答えは「苛政無ければなり」
だった。
それを聞いた孔子は、すかさず従者である門弟を集めて
諭した。
『よくおぼえておきなさい・・苛政は虎よりも猛しと』
むごい政治は虎よりも恐ろしいのだ。
政治はいかにあるべきかを考える時、反射的に思い
浮かべる逸話です。
魯国を治める正卿・季孫斯の輔弼(ほひつ)になる仲由に、
「政治とは何か」と問われた孔子・・
『先んずること、労することである』と答え、
更に『倦(う)むことなかれ』と付け加えた。
率先して行い、人をねぎらい、そして飽きて嫌になるよう
なことはしないことだ。
また仲由が衛の国から招かれた際に贈った言葉は・・
『 努力しなければ成就しない。
苦労しなければ功はない。
衷心(ちゅうしん)がなければ親しい交りはない。
信用がなければ履行されない。
つつしまなければ礼を失う・・この5つを心がけることだ 』
「橋本五郎・五郎ワールド」より