1894 「吉村外喜雄のなんだかんだ」
幸せな人生 「物ごとは見方によって変わる」
以下、毎週日曜夜9時NHK・BSで好評連載している
春秋時代の中国、秦の始皇帝の母・李香蘭の波乱万丈の
人生ドラマ、「コウラン伝・始皇帝の母」の中での会話です。
王子
「 香蘭、なぜ怒っているのだ? 」
香蘭
『ひど過ぎます・・だってこの世は嫌なやつばかりだから。
弱いものはいじめられて、不公平だわ・・』
王子
「 何があった? 言ってごらんなさい 」
香蘭
『妹愁玉は一緒に育ったのに・・私のことを恨んでいます。
それに小香陽は、何もしていないのになぜか私を恨んで
陥れようとした・・あんまりです。
なぜこんな目に遭うの、ひどすぎるわ・・どうして?』
王子
「 私の母は穏やかで、争いは苦手だった。
身ごもってから、ある人が部屋の前の廊下に油を
塗ったり、母の寝所の近くに赤子の骨を埋めたり・・
私が生まれても、そんなことがいつまでも続いた。
それで私は母に尋ねた・・どうして?
母が言うには、
人が美しければ嫉妬し、人が賢ければ憎む。
そういう気持ちは誰にでもある・・
でも、その嫉妬に飲み込まれてしまう人と、
嫉妬を、前に進む力に変える人がいる。
香蘭、深呼吸して!
花の近くにいると、花の香りが漂ってくる。
でも、怒っていると、香りに気づかなくなる。
他人を妬むことも同じだ・・
自分の周りには嫌な人間ばかりいて、
この世は不公平だ・・と言ったね。
意外とそうでもない。素直になって周りを見るとよい。
顔のアザを、じっと見ていると、傷は大きく見え、
心は押しつぶされる。でも気にしなければ、
自分がどれほど美しいか、気づくはず・・
ごらん・・悪人も多いが、善人はもっと多い。
歩いていて、石につまずいて転んでしまった。
立ち止まって、石に文句を言うか・・
それとも石を無視して、前に進むか・・
どうとらまえるかで、
物の見方・考え方が変わってくるのだよ 」