1832 「吉村外喜雄のなんだかんだ」
仏教の教え
「寓話/三尺三寸箸・地獄と極楽の話」
法話によく使われる「三尺三寸箸/地獄と極楽の話」です。
昔ある男が、地獄と極楽の見学に出かけました。
最初に地獄に行ってみると、そこはちょうど夕食の時間で
した。食卓には、罪人たちが向かい合い並んで座っていま
した。
テーブルには、粗末な料理が出されていると思っていたら、
何と、豪華な料理が山盛りに並んでいるではないか・・
なのに罪人たちは皆、ゲッソリ痩せこけている。
不思議に思ってよく見ると、彼らの手には1メートルもあ
る長い箸が握られていた。
罪人たちは、長い箸を必死に動かして、つまんだご馳走を
口に入れようとするが、どうにも入りません。
イライラして怒り出す者や、隣の人がつまんた料理を奪お
うとする者など、醜く争っているのです。
男は次に極楽に向かった。丁度夕食時で、極楽に往生した
人たちが、仲良く食卓に並んでいた。
もちろん料理は山海の珍味です。
極楽の人は皆ふくよかで肌も艶やか・・
ふと箸に目をやると、地獄と同じ1メートルの箸を持って
いた。一体地獄と極楽何が違うのだろう?と疑問に思い
ながら、食事が始まるのを待っていた。
直ぐにその謎が解けた・・極楽の人は、長い箸で挟んだ
ご馳走を「どうぞ」と言って、向かい側の人に食べさせて
いる。
「ありがとう」とほほ笑んだ相手は、「何がお好きですか」
と、自分にも食べさせてくれました。
なるほど・・男は「極楽の人は心がけが違うわい」と感心
した。
同じようにテーブルを囲んで、一方は「自分のことのみに
囚われ、傷つけあっている」。
もう片方は「相手を思いやり、思いやられ、感謝し、感謝
され、和気あいあい」みんな仲良く夕食を楽しんでいた。