■「てんびんの詩」
30年前、竹本幸之助の脚本で映画化された
「てんびんの詩」
近江商人の家に生まれた少年”近藤大作”が、
小学校を卒業した日、天秤棒を被いて鍋蓋の
行商に出る話。
失敗・挫折を乗り越えて、商人の心を知るまで
を描く。
社員研修で何度も上映したが、あふれ出る
涙をこらえるのが大変でした。
1831 【吉村外喜雄のなんだかんだ】
「伊藤忠商事・初代の初心」
伊藤忠商事初代・伊藤忠兵衛は、1842年滋賀県
豊郷村の、近江商人五代伊藤長兵衛の次男に
生まれた。
忠兵衛15歳の時、天秤棒を担いで行商を始めた。
この年を伊藤忠商事創業の年としている。
[ 初代の初心 ]
1858、15歳で旅に出た。大阪へ、紀州へ。
郷里近江の麻布を商う旅へ。
年を経て、下関や長崎まで商いを広げる中で、
少年は気づき、学んでいく。
商いとは何か。ただ物品を届けるだけではない。
求められるものを、求める人に、求められる形で、
お届けすること。
やがて生まれる信頼。喜び。満足。その先にある、
何かもっと尊いもの。すべての人々の役に立ち、
世の中全体のしあわせにつながる営み。
それが商いの尊さなのだと・・
少年の名は伊藤忠兵衛。伊藤忠商事の初代。
こんな言葉が伝わっている。
『 商売は菩薩の業、商売道の尊さは、
売り買い何れをも益し、世の不足をうずめ、
御仏の心にかなうもの 』
今の言葉で「 売り手よし、買い手よし、世間よし 』
つまり「三方よし」の起源となった商いの心。
160年以上、私たちが続けてきた商いの形。
初代の初心を胸に、3つの「よし」に向かう、
私たちの旅に終わりはない。
伊藤忠商事は、2020年4月1日、企業理念を
「三方よし」に改めた。