1824 【吉村外喜雄のなんだかんだ】
「3密・社会構造からの脱却」
以下6月18日、第4回「人間の森大学Zoom勉強会」
小野晋也先生の講義からの抜粋です。
今回しきりに感染対策として語られている「3密/密閉・
密集・密接」を避けるスローガン。
考えてみれば、この「3密」というのは、現代の都市文明の
特質を端的に表した言葉ではないだろうか・・
人々は都会生活の中で、快適な環境を実現しようとして
「密閉空間」を様々なところに数多く作り上げてきた。
また、効率的や便宜性を高めるために、可能な限り人々が
多く集まる「密集空間」を作り上げようとしてきた。
その様々な密集空間の集合体こそが”大都市”であろう。
その狭いエリアに多くの人が集まり、緊密なコミュニケー
ションを行えば、「密接空間」にならざるを得ない。
新型コロナウイルスの蔓延は、「現代の都市文明を根底から
否定する始まり」を意味するのではないだろうか・・
小中学校は長期間休校となり、感染が疑われる人は自宅で
療養し、企業はテレワークや時差出勤をするようになった。
これまで、日本の社会で常識だった定時出勤の原則や、
子どもたちを学校に集めて行う義務教育のあり方が・・
新型コロナの脅威の前に、あえなく次から次へと崩れ去
ろうとしているの である。
このように今回のウイルス騒動は、世界的な「精神的
パンデミング」となる大きな社会現象を生み出している。
その背景には、多くの人々か「これまでの時代の終焉」を
肌で感じているということがある。
そして、従来の社会の仕組みや制度を多少焼き直す程度
では、大きく変動しようとする社会には、ついていけなく
なる。
人類社会の在り方を大きく転換する入り口に、私たちは今
立っているのではないだろうか・・