4年前、私たち夫婦は人生の終わりを迎える
とき、穏やかに自然の摂理に沿って死にたいと、
「尊厳死協会」に入会し、会員になりました。
そこで、今回から6回にわたり「終末医療」の
在り方について連載することにします。
1810 「吉村外喜雄のなんだかんだ」
幸せな人生 「延命治療を考える」
以下、テレビ朝日・朝の連続ドラマ「やすらぎの刻・道」
から・・私(主人公)と院長の、延命治療のやりとりです。
院長「向井さんはパーキンソン病で、それに老衰が加わっ
て、3日ほど前に意識を無くしたんです。
私としてはこのまま静かに息を引き取るのをお待ち
するのが最善の策と考えました。
ところが、全く音信のなかったお嬢さんが見えまして
”何とか少しでも命をつないでほしい”と 言い出したの
です・・つまり”胃ろう”による治療です。
腹部に小さな穴を開けてカテーテルを通し、そこから
栄養を送り込む方法です。
確かにそれをすれば、物理的に延命することは可能
です。しかし、ご本人に意識はありませんし、良くなる
可能性も全くありません。
しかも、それをしてほしいと言う娘さんは、私の病院に
任せっぱなしで、看病をしようとする気配もありません。
ただ生かせられるなら、生かしておいてやりたいと感情
的に言われるばかりです 」
私『その・・”胃ろう”をしなかったらどうなるのです?』
院長「ご家族が望まれるのに、胃ろうをしなくて亡くなったら
”不作為の殺人”として病院が刑法で罰せられることに
なります。
刑法218条と219条です・・明治時代に作られた
法律です。
最近の医学の進歩で、医学的に人命を生かしておく
方法がこんなにも多様に開発されてくると、果たして
本当にそれでいいのか・・?
周囲はともかく患者本人にとって、それは果たして望ま
しいやり方なのか? そういう疑問を私は持つようになり
ました 」
私『私は嫌ですね・・植物状態になって、意識が無くなって
いるというのに、自分の体を人目にさらして生かされるな
んて・・嫌ですね 』
院長「でも、ご家族に頼まれた以上、医者は逆らえないん
ですよ 」