■結婚後、親と同居の私たち夫婦
10代~20代後半までの私は、病気長期療養
のため、両親の庇護の下にいた。
自宅療養が長く続き、社会復帰が遅れた私は、
長男夫婦に代わって家を継ぎ、両親と同居
することになった。
病気が癒えた27歳の時、結婚した。
妻は、舅姑によく仕えた。
嫁いでから約20年、6人の兄弟家族が集まる
正月の三が日、妻は台所に立ちっぱなしだった。
「実家で正月を迎えたい」とは言い出せなかった。
妻は、老いた私の父母を献身的に看病した。
そして見送った・・感謝してもしきれません。
1785 【吉村外喜雄のなんだかんだ】
男の言い分、女の言い分
「夫には解決できない嫁姑の関係」
1つ屋根の下で両親と同居する妻・・夫婦喧嘩に加え、
夫が介入できない「嫁姑問題」に悩まされることになる。
台所は主婦のテリトリー・・女の感性脳は、自分の目の
届く範囲をなめ尽くすように”感じ”、無意識に支配しよう
とする。
妻にとって台所という空間は、自分の思い通りに制御でき
ないと不安や不快感が募り、ストレスが溜まる。
嫁姑が互いにイラつくのは、この狭い「制御領域」で
ぶつかり合うからです。
台所で働く主婦は、冷蔵庫や棚の中の置き位置を、
ミリ単位で認知し、自分が置いたものを動かされたり、
動線をいじられると、大きなストレスになる・・
ときには、夫でも台所に入ることを嫌う。
テリトリーを長年守り、自由にしてきた姑には、嫁が実家の
ルールを無神経に持ち込んでくるのは・・たまらない。
かといって、何も手伝わない嫁にも腹が立つ。
嫁姑の”制御領域”をめぐるバトルは、夫には理解できる
はずがなく、手も足も出ない。
賢い嫁は、姑の領域におずおずと入り込み、やがて自分の
領域を増やし、共通のルールを増やしていく。
賢い姑は、かって自分が体験した「姑の領域での疎外感」
を思い出し、嫁をいたわろうとする。
要は双方の”思いやる心”が問題を解決する・・
これがどちらか欠けると、嫁姑だけでなく、実の母娘の間
でもバトルを繰り返すことになる。
黒川伊保子著「妻のトリセツ」より