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橋本佐内/啓発録・稚心を去る

1779 【吉村外喜雄のなんだかんだ】
古事から学ぶ
{「
橋本佐内/啓発録・稚心を去る」

13日は成人式でした。教育制度が充実した今の時代、
親からの学費の仕送りに感謝し、自らの進路を明確にして
勉学に励む学生は、どれだけいるでしょうか?

幕末の福井松平藩が生んだ偉人・橋本佐内は、春嶽を
助け、
一橋慶喜を擁立したことから、安政の大獄の時、
伝馬町牢屋敷で斬首となった・・享年26歳。

7歳で漢籍・詩文書道を、8歳で漢学を学んでいる。
佐内15歳の時、今までの生き方を省み、以後の生き方の
指針を5項目に定め、「啓発録」に著している。


1.稚心を去る  
遊びなどの楽しいこと、怠け心、親への甘えなどは、
学問の上達、武士としての気概を妨げるので、
捨て去るべき。

2.気を振う
人に負けまいと思う心、恥を知り悔しいと思う心を常に
持ち、緊張を緩めることなく努力する。

3.志を立てる
自分の心の赴くところを定め、一度こうと決めたら、
その決心を失わないよう努力する。

4.勉 学
優れた人物を見倣い実行する。
学問では、強い意志を保ち努力しなければならないが
自らの才能を鼻にかけたり、富や権力に心奪われることの
ないよう自ら用心し慎むとともに、それを指摘してくれる
良き友を持つよう心掛ける。

5.交友を択ぶ
同郷、学友、幼なじみは大切しなければならないが、
友人には”損友”と”益友”があるので、その見極めが大切。
益友といえる人がいたら、自分の方から交際を求め、
兄弟のように付き合う。
益友には次の5つを目安とする。

◉ 厳格で意思が強く、正しい人であるか?

◉ 温和で人情に篤く、誠実な人であるか?

◉ 勇気があり、果断なひとであるか?

◉ 才知が冴えわたっているか?

◉ 細かいことに拘わらず、度量の広い人であるか?

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