1765 【吉村外喜雄のなんだかんだ】
「廃県置州で日本に活力を」
日本は、過去に経験したことのない人口減少時代を迎えて
いる。
明治維新以降150年間、ひたすら人口が増え、所得が伸
び、税収が増えてきた。「右肩上がりの拡大社会」が続い
たのです。
ところがこの先、日本の人口は坂を下るように減り始め、
歯止めがきかなくなる。
都道府県の行政区割りを見直す時が来ているのす。
今の政令指定都市や中核都市をもとに、地域開発の目線
で、広域行政を再構築する必用に迫られているのです・・
一時期、機運が高まった「道州制」論議は、区割り論が
先行して、町村の反発や格差拡大への懸念で、かき消され
てしまった。
関係各省は権限縮小になると抵抗したし、自治体から財政
悪化や、政策立案能力の低さを不安視する声が出た・・
しかし、これ以上の大都市一極集中や、過疎化は望まない。
人口減時代でも、元気な国づくりを目指さなければならな
い。そうした躯体的な構想づくりが政治の役割ではないか。
明治の「廃藩置県」が人口拡大期に備えた”政治革命”
だったとすれば、未曽有の人口減少期に、備えなければな
らない政治革命は「廃県置州」だ。
日本全体を10程度の広域圏からなる州とし、
それぞれが内政の拠点となるよう、大胆に分権化する・・
予算の無駄は省かれ、地方分散が進むことになる。
中央大学名誉教授(行政学)佐々木信