1761 【吉村外喜雄のなんだかんだ】
「温暖化で海の生態系が危機状態に」
スキューバーダイピングを始めて30年になる・・
先週の7日には、沖縄・久米島に潜った。
つい20年前まで、波打ち際から水深10㍍の海底には、
ホンダワラやテングサが森のように群生していた。
その日本海沿岸の”藻場”が、今ではすっかりやせ細り、
見る影もない「磯焼け」の状態になっている。
そうした海の中の変化を、ずっと見てきた私・・原因は、
温暖化による海水温の上昇。加えて森林の伐採や、
防災ダムの建設で、森の成分が海に供給されなくなった
ことが挙げられる。
藻場にはアイナメ、メバル、カサゴ、エビやカニなどが
生息し、採食・逃避・産卵・稚仔が行われる・・
また、アワビやサザエは海藻を食べて繁殖する。
そこにイシダイなどの大型魚、海鳥、アシカなどが捕食に
集まってくる。
50年後には、日本沿岸の藻場は消失し「海の生態系に
深刻な影響を及ぼす」と、専門家は警告する。
地球温暖化海の被害は、世界各地の貴重なサンゴ礁で、
大規模な”白化現象”になって現れ、過去に例のない規模
で拡大している。
石垣島や世界遺産・慶良間諸島の、海底に広がる美しい
サンゴ礁の7~8割が、見渡す限り真っ白に死滅。群れて
いた美しい熱帯魚が消えていき、生態系が破壊され、
死の墓場になっていく。