1754 【吉村外喜雄のなんだかんだ】
「福祉が充実すると社会が乱れる(3)」
母子家庭が増えたので、完全保育を充実させるのはいい。
一方で、未婚の母が生活できる環境も、整えなければなら
なくなる。
保育所が充実すれば子育てに困らなくなる。気楽に子供を
生んで、苦労して自らの手で子供を育てる ことをしなくなる。
益々、福祉の充実が叫ばれるようになる。
それが福祉先進国北欧の現状なのです。
同じことが、年寄りと同居する家族の接し方にも見られる
。年寄りを受け入れる施設が充実すると、年寄りを施設や
病院に入れ、見舞いにも行かない。
体のよい厄介払いである。年寄りたちは、家族と一緒に
住みたいと心から望んでいるのに。
そんな家庭環境で育った孫は、そうするのが当たり前に
思うようになり、親がやってきたことと同様のことをする
ようになる。
今の満ち足りた生活を維持したくて・・仕事を続けたくて
・・手のかかる子供や年寄りを人まかせにする。
何れ、我が子に見捨てられるかもしれないというのに・・
気づかない。
今、家庭という一つの宇宙が崩壊しつつある・・
子育ても、教育も、老人介護も、本来家庭がやるべき
ことすべて、行政や国に依存しようとする。
家庭は一度崩壊すると、元に戻らないから始末が悪い。
家庭の崩壊は、地域社会を崩壊させる。
何でも問題を国や人のせいにして、不満のぶつけどころ
のない、住みにくい社会になってきた。