1749 【吉村外喜雄のなんだかんだ】
「禅の教え/生かされて生きる(2)」
禅僧が着る衣を縛る紐を「手巾(しゅきん)」という。
結び目に目をやると”水引”に似ている。
水引は祝儀や不祝儀の際に用いられる飾りで、
人様に差し上げる贈答品や、封筒の飾り紐などに使われ
る。
それは、我が身を仏様にすべて差し出すことを意味する。
差し出したからには、どのように使われようが文句は
言えない。仏様の意のままに・・という覚悟がある。
今起きていることを素直に受け入れる・・
これを禅宗で「現成受用(げんじょうじゅよう)」という。
これは仏に仕える者の意識を超えた世界であり、
神や仏が作り出す宇宙の世界です。
修行を重ねていても、ほんのわずかしか理解できない
世界なのです。それ故に、素直に受け入れるしかなく、
その世界で生かされ生きていく。これが現成受用なの
です。
正眼寺住職・山川宗玄禅師