■「己事究明」
「自分は何のためにこの世に存在するのか?」
「どうすれば人間として立派に生きられるのか?」
「何をもって我が人生の完成とするのか?」
座禅修行を通して、こうした課題に取り組み、
本来の自己(己事)に目覚めていく。
■「小我の根源を脱却する」
座禅修行を通して、頭から離れない
悩み・煩悩などの小我を、根源から脱却し、
大我に至ろうと修行を重ねる。
1748 【吉村外喜雄のなんだかんだ】
「禅の教え/生かされて生きる」
一日一日修行を重ねていく僧堂の1年には、氷点下
の大寒の1月15日から1週間”接心”と呼ばれる、
特に集中して修行を行う期間がある。
”接心”は一週間を一日になぞらえ、早朝から深夜まで、
4回に分け15時間座禅を行う・・横になって眠ることは
許されない。
修行の根本は「己事究明」にあり、「小我の根源を脱却
する」・・その覚悟をもって、座って座って座りぬくことにある。
小我を超えて、大我に至らなければならない。
-10度の極寒の中、両手を握りしめ、寒さをこらえ、寒さと
闘っているようでは、乗り切ることはできない ・・小我てある。
寒さを乗り越えるには、普通であれば暖房器具を使う。
暖房器具がなければ、自力で寒さに耐えるしかない・・
考えても無駄、成り行き任せ・・考えないことです。
寒さに溶け込み、なりきるすべを身につけていく。
自然と闘うのではなく、自然と一つになる。
すると、皮膚の温度は凍えるほど下がっていくが、
体の心から炭をおこすように、少しずつ温かい血が全身
にみなぎって くる・・大我の心境になる。
自力で座禅を行っている間は、まだまだ修行が足りない。
「天地同根 万物一体」・・天地に溶け込み万物が一つに
なる・・座禅すべてを天地万物に任せてしまうのです。
正眼寺住職・山川宗玄禅師