■サンゴの白化
サンゴは一見”植物”に見えるが動物です。
褐虫藻と呼ばれる藻を体内に共生させ、
藻が行う光合成物に依存して生きていま
す。
サンゴの白化は、環境ストレスにより
褐虫藻の光合成が阻害され、サンゴが
褐虫藻を海中に放出することにより、
白く透けて見えることから起こります。
環境が回復すれば、褐虫藻を再び体内
に取り込み、健全な状態に戻ります。
しかし、環境が回復せず白化が長く続く
と、サンゴは死んでしまうのです。
1735 【吉村外喜雄のなんだかんだ】
「サンゴ礁の大規模白化」
の大型台風が西日本を直撃・・各地で40度を
超す熱波に襲われた。
海水温が上昇・・サンゴの白化が進み、死滅して
しまうのではと心配になる。
地球温暖化により、世界各地でサンゴの大規模白化
現象が話題になって久しい。
世界屈指のサンゴ礁で、世界遺産になった沖縄・
慶良間諸島も、例外ではない。
一見すると美しく見えるサンゴの白化は、海水温が
30度を超える状態が長く続くと、強いストレスを
受けて死滅する。その過程で起きるのが白化現象で
す。
更に、開発行為で陸上から流れ込む赤土や、生活
排水による海水汚染などが追い打ちをかける。
2005年、10年ぶりにスキューバダイビングを
再開した私は、憧れのパラオに潜った。
その時受けたショックは、今も忘れない。
テーブルサンゴなど世界一美しいサンゴ礁が、
見渡す限りまっ白に白化・死滅・・バラバラになっ
た白いサンゴが海底一面を覆っていた。
海の中は右も左も、生物の棲まない死の世界になっ
ていたのです。
サンゴの死滅により、海の熱帯林と呼ばれ、
大小様々な動植物が生息する生命豊かな海中の
生態系が、完全なまでに破壊されたのです 。
当時「北極の氷が溶けてしまう」など、地球温暖化
が近い将来、人類に大きな危機をもたらすと言われ
ながら、実感として伝わらなかった。
海に潜って初めて、温暖化による地球破壊のすさま
じさを目にし、目を覆いたくなる現実を知ることに
なったのです。
あれから14年、異常気象による被害が年々増加
する中、温暖化への取り組みが遅々として進まず、
じれったい思いをしているのは、私だけでしょうか・・