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「今も続く、元ハンセン病患者
家族への偏見と差別」
ハンセン病(らい病)患者の家族は、国が長く
家族の救済を怠ってきことによる差別や偏見で、
地域社会から排除されてきた。
家中を消毒され、家族は「バイ菌」扱いされ、
いじめられた。嫁に行った娘は子どもが作れないと
離婚に追い込まれた。
生まれた子どもは「未感染児童」として潜在的患者
扱いを受けた。差別を恐れた子どもや家族は、親の
病気をひた隠しにして生きていくしかなかった。
隔離は地域社会に見せつけるように行われ、患者探
しも奨励された。家族も国の隔離政策の標的にされ
たのです。
らい病患者が出た家の近所は、らい病への誤った
恐怖を植え付けられた上に、家族に近づけば自分
たちも同じ目に合うと、偏見は更に助長された。
国は2001年に隔離政策の過ちを認め、元患者ら
に謝罪し、補償に乗り出したが、あれから18年、
ハンセン病患者家族の苦しい境遇には、目を向けよ
うとはしなかった。
6月20日 読売新聞