1694 【吉村外喜雄のなんだかんだ】
「バブル崩壊とゴルフ会員権」
かっては富裕層のステータスで、資産価値の高かった
ゴルフ会員権は、バブル崩壊で価格は急落。
現在ピーク時の24分の1、わずか3%にまで下落して
紙屑同様になった。
1980年には、全国の平均が4百万円台後半だった
相場価格は、バブル経済の不動産価格の急騰と共に
急上昇して、10年後、バブルが弾ける直前の1990
年には4千万円弱にまで高騰した。
わずか10年の間に、10倍に膨ら んだのです。
ゴルフ場の土地や建物の値上がりを期待した会員権は、
絶好の投機対象になり、注目を浴びたのです。
マネーゲームに踊らされ、我も我もと員権を買い求めた
のです。
当時ゴルフとは無縁の私・・金沢近郊のSゴルフ場開発
に伴う会員募集で、お世話になっていたH銀行支店長
の熱心な勧誘を受け、固持していたが・・
「まだまだ値上がりします。しかも元本保証!全額無担
保融資します」の勧誘に負け、投機目的で800万円で
購入した。
バブル崩壊後、株価とともに会員価格は急落。
売ろうに売れず、毎年3万5千円の年会費を収めていた。
平成16年ゴルフ場は倒産・・会員権は紙くずになった。
「元本保証」は支店長の口から出まかせだった。
現在、ゴルフ環境はレジャーの多様化、所得の落ち込み
などで、ゴルフを楽しむ若年層が減少している。
バブル崩壊時1480万人だったゴルフ人口は、
平成17年には670万人に半減している。
平成12年以降景気が回復して、それまで7千円台だっ
た株価が、3倍近く上昇し2万円台に・・
しかし、ゴルフ会員権は30年後の今、株価との相関性
は薄く、投機商品としての側面は消滅した。
日経新聞「平成の30年」より