■回 文
左から読んでも右から読んでも同じ回文
財政の無駄遣いと言えば、バブルの頃
全国のダム建設がやり玉にあがった。
「うかつにダムを引く 国費を無駄に使う」
「何や出来ぬ? 死ぬ気でやんな」
「私等は 怨念を晴らしたわ」
「責任を取る取ると恩に着せ」
「税 要らないなら いいぜ」
1680 【吉村外喜雄のなんだかんだ】
ことば遊び 「落語・風呂敷」
江戸時代の落語の創世記からある、艶笑古典落語です。
戦前では、間男不義密通の不倫噺と、官憲の検閲を受け
た。
♪亭主熊五郎の留守に、かみさんが間男を引きずり込み
指つ指されつ、しっぽり濡れている。
男の方はおっかなびっくりだが、かみさん・・
長屋のカカアみんなやっていると、一向に気にしない。
稼ぎもしないで遊び歩く亭主に愛想が尽きたかみさん、
亭主を乗り換えて、おまえさんと添い遂げたいと、
気を引く。
馬肉や油揚げをたらふく食って、酒を飲み、
亭主は横須賀に行って帰りは明日と・・今夜はゆっくり。
と、路地のどぶ板を踏む足音・・
戸をトントン叩いて「おい、今けえった」
かみさん・・慌てて間男を戸棚に押し込んだ。
どうせ酔っぱらっているから・・スキを見て逃す算段。
亭主の熊五郎・・家に入るなり「たいそう御膳が出て
いるな」と戸棚の前に寝そべると、高いびき。
これでは戸が開けられないと、かみさんが困っていると
、そこに現れたのが鳶頭。
かみさん・・拝み倒して成ゆきを白状し、
「お願い、助けてくださいな」と頼むので、
鳶頭、見捨てる訳にもいかないと、
かみさんを外に出すと、熊をゆさぶり起こす。
寝ぼけ眼の熊に、かみさんは買い物に行ったとごまかし
『今日友達の家に行ったらな、おかしな話があったんだ。
そこの亭主というのが、稼ぎもろくろく出来ねえから、
かみさんが間男をくわえ込んだのよ・・』
「へえ、とんでもねえアマだ」
『どうせ宿六は帰るめえと思って、情夫を引きずり込ん
で一杯やっている所へ、亭主が帰って来たと思え。
で、そのカカアあわ食って戸棚に男を隠しちまった』
「へえ~」
『すると亭主酔っぱらってその戸棚の前に寝ちまった』
「そりゃ・・困ったろう」
『そこで俺が、かみさんに頼まれて、そいつを逃がして
やった』
熊がどんなふうに逃がしたか、聞かしてくれと頼むので
鳶頭『おめえみたいに寝転んでいたやつを、首に手を
こうかけて起こして』
「ふん ふん」
『キョロキョロしちゃあいけねえから、脇の風呂敷ィ
取って亭主の顔へこう巻きつけて・・
どうだ、見えねえだろう。そこで俺も安心して、
戸をこういう塩梅にガラリと開けた・・と思いねえ』
間男を出してやり、拝んでねえで逃げろ・・
と目くばせしておいて
『そいつが影も形もなくなった途端に、戸を閉めて、
それから亭主にかぶせた風呂敷を、こうやって・・』
とパッと取ると、熊が膝をポンと叩いて
「なあるほど、こいつはいい工夫だ・・
どんな亭主か、面が見たい」