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イソップ寓話/恩を仇で返すシカ

■イソップ寓話

イソップは、約2500年前のギリシャの
奴隷でした。
「イソップ寓話」は、子どもたちのために
書かれたものではなく、大人のための
人生の教訓でした。

お上には一切逆らえない、弱い立場に
あった彼は、動物を例えにした寓話を
作って、人々に注意を喚起したのです。


1671 【吉村外喜雄のなんだかんだ】
「イソップ寓話/恩を仇で返すシカ」

●ブドウの葉を食べたシカ
~恩を仇で返す者は破滅する~

一頭のシカが、猟師に追われて逃げ回っていた。
幸いにも、ブドウの蔓が巻きついた木を見つけ、
その陰へ滑り込んだ。
生い茂ったブドウの葉が、シカの体をスッポリ隠して
くれた。
息を殺して潜んでいる目の前を、弓を持った猟師が
通り過ぎていった。
「この木がなければ、どうなっていたことか・・」

安心したシカは、ブドウの葉をムシャムシャ食べ始めた。
そのかすかな音が、耳のいい猟師に届いた。
「おかしいぞ? 風もないのに葉っぱが揺れている」
勘のいい猟師は、弓を矢につがえ、狙いを定めた。

シカは、少しも気づかず、葉を食べ続けている。
次の瞬間、放たれた矢が体を貫いた。
シカは大地に倒れ・・
「ああ、当然の報いだ! 命の恩人(ブドウ)を傷つけ
  てしまったのだから」と嘆いて、死んでいった。
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恩を仇で返す・・”恩”とは「原因を知る心」と書く。
今の幸せがあるのは、両親のお蔭、恩師や朋友に
恵まれたから・・
感謝の心を忘れ、受けた恩を仇で返す者は、破滅する。

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