■徒然草にある「後悔」の定義
今日やるべきことを明日に延ばし、明日やってもよい
ことを今日やって、心にあれこれと食い違いが生じる
こと・・それを”後悔”という。
1654 【吉村外喜雄のなんだかんだ】
「お役目を台無しにした、土佐藩士の逸話」
以下は”和”を重視し、部下の過失を許した土佐藩家老
野中兼山の 逸話です。
♪紀州はミカンの畠が多く、その花は蜜蜂を養って蜜を
採るのに適していて、養蜜が盛ん に行われた。
土佐藩の家老で学者の”野中兼山”は、養蜂を思い立ち
、家来を紀州にやって、種になる蜜蜂を求めさせた。
兼山の家来は一箱の蜜蜂を手に入れ、無事に土佐の港に
帰ってきた。ところが、家来は蜜蜂の正体を知らず、
箱の中には甘い蜜が一杯入っているものと思い込んでい
た。
無事にお役目を果たしたことでもあり、少しご馳走になろ
うと箱のふたを開けたとたん、数千匹の蜜蜂が一斉に
大空に飛び出してしまった。
さあ、大変なことをしてしまった・・
家来はすごすご兼山の邸に行き、過失を詫びた。
せっかくのお役目を”台無し”にしてしまった家来は、
どんなおとがめを受けるかと、ビクビクして待ち受けて
いると・・
兼山、怒ると思いきや、カラカラと大声で笑った。
『 これは驚きいった。蜜をなめるのはよいが、
舌を刺されたらどうするのじゃ・・
蜂はどうせ、ご領内のどこかに逃げたのだから、
持ち帰ったも同然じゃ・・ご苦労ご苦労 』
と却って家来を慰めた。
本人はもとより、どうなることかと心配していた他の
家来たちも、ほっと一息つき、兼山と一緒にみんなで
笑い過ごしたという。