1648 「吉村外喜雄のなんだかんだ」
幸せな人生 「才と徳」
人間形成の過程で大切なものに「才」と「徳」がありま
す。
才は、私たちが物事を進めていくうえで必要な能力
で、「知識」と「技術」の2つが中心をなします。
一方「徳」は、人間の値打ち・人格を決めるものです。
全国を統一した徳川家康は、各藩に学問を奨励し、
朱子学を中心とする儒学の普及に努めました。
その結果、武士の生き方に”徳”の学が入り、武士道が
確立されました。
今日の日本で、才に長けた政治家や経営者の名前は
数多く挙げられますが、徳をそなえた者は、直ぐには
思い浮びません。
今年のプロ野球を制するのは広島でしょうか?それとも、
ソフトバンクでしょうか?
子供の頃から才能を発揮し、後世に名を残す名選手が
監督になり、チームを率いたら、成功するかといえば
そうはならない。
組織の中の一員として自らの才を発揮し、才を磨いて
成果を出し、才を更に高めていくことが、組織のためで
あり、求められるのです。
しかし、コーチや監督として、組織を束ねる立場になれ
ば、才に長けているだけではチームはまとめられません。
組織をまとめ、チーム一丸と総合力を発揮させるには、
”徳”をそなえたリーダーが、必要になってくるのです。
谷崎利男「日本人の誇り」より