■徳川家康の名言
「決断は難しいことではない。
本当に難しいのはその前の熟慮である」
1626 「吉村外喜雄のなんだかんだ」
幸せな人生「日本人に求められる幸せ」
昭和の大衆作家吉川英治は、「宮本武蔵」や「新・平家
物語」を通して「戦国から太平へ」「貴族から武士へ」
と・・
時代の転換期に必死に向き合ってきた人物を物語の主人
公にして、日本人に本来備わる価値観とは何かを問う
小説を世に出し、昭和を代表する作家になった。
日本の将来・・財政破綻や、受け継がれてきた伝統技術
の後継者不足などが懸念される平成の転換期に、吉川
英治の「新・平家物語」は、日本人に夢を与える”灯”
になるのです。
栄華を誇った平家が滅亡に至る最後のシーン・・
源頼朝や義経、平清盛などが消え果てたその後に、
崇徳天皇の水守として登場する無力な一組の夫妻が、
幸せそうに寄り添う。
権力や財力を持つことは幸せには違いないが、それに
煩わされることなく、戦乱の世を生き抜き、老後を楽し
んだ夫婦・・物語では二人に
「これが人間が求める本当の幸せかもしれないね・・」
と言わせている。
立身出世を求めて懸命に働き、金持ちになろうとしなく
ても、貧しい中にも幸せがある・・それを楽しみなさい
と。
戦後の日本人・・物質的豊かさを追い求めてきた結果、
日本人に本来備わっている”慎ましさ”が喪失してしま
った。
「物造りの精神」「努力を惜しまず働く」
「足るを知る」「他人を労わる」
そうした日本人らしい「分相応の幸せ」とはなにかを
今一度自らに問い、「勤勉」をモットーに働こうでは
ないか・・それが吉川英治の精神なのです。
「吉川文学を必要とする時代が来る」より