■金沢の伝統食品
金沢の伝統食品といえば、「かぶら寿司」
「すだれ麩」がある。
お茶の茎を焙煎したほうじ茶「加賀棒茶」も、
香ばしく豊かな甘みが特徴の金沢名産です。
子どもの頃、春と秋お祭りになると、赤飯に
「押しずし」や、寒天にとき卵を入れ羊かん
のようにした甘い「べろべろ」や「ぜんまい」
など、お祭りの御馳走を親戚間でやり取り
する習慣があった。
1559 【吉村外喜雄のなんだかんだ】
金沢市内から4キロ西の、金石港に隣接する大野は、
千葉県の銚子と野田、兵庫県の龍野、香川県の小豆島と
ともに「日本5大醤油名産地」の一つに数えられる。
ほどよい甘さとまろやかさを併せ持つ「うまくち醤油」
は、江戸時代の初期に加賀藩の命を受けた商人、
直江屋伊兵衛が、紀州和歌山で醸造法を学んで持ち帰っ
たのが始まりとされ、加賀料理には欠かせない調味料で
す。
昭和の古い町並みを残す大野の町の一郭に、大野醤油
醸造の老舗、1825年創業の「直源醤油」がある。
8代目の直江潤一郎社長に、200年老舗永続の要諦を
聞いた。
「伝統を受け継ぎつつ、その時々の社長が企業発展の
あり方をとことん考え、その結果を怖れずに新しい
新しいことを実行してきたからでしょう」
との答えが返ってきた。
「先々代は協業組合を作り、生産の合理化を進め、
先代はスーパーマーケットに販路を広げました。
いずれも当時は大きな冒険だったと思います・・」
そう語る直江社長も、和風ドレッシングなど、新商品の
開発に余念がない。
読売新聞「鼓門」