■江戸小噺「親孝行」
「お前はまだ年が若いから、
親のありがたさがよく解っていないようだが、
年老いた親たちは、
もっと大事にしてやらにゃあならぬ。
世間には、
親のいない子もたくさんいるというのに、
ふた親そろって達者でいるとは、ありがたいこと。
第一、どれほど金があっても、
金で買えぬのが・・この親じゃ 」
道楽息子
『また、売ろうとしても・・売れもせんわい』
1551 「吉村外喜雄のなんだかんだ」
幸せな人生 「あたりまえ」
以下は、悪性腫瘍で右足を切断した後、32歳の若さで
亡くなった医師”井村和清”さんの詩です。
亡くなる直前まで綴っていた日記が、
死後「飛鳥へ、そしてまだ見ぬ子へ」と題して出版、
ベストセラーになった。
~ あたりまえ ~
あたりまえ こんな素晴らしいことを
みんなは なぜ喜ばないのでしょう
あたりまえであることを
お父さんがいる お母さんがいる
手が二本あって 足が二本ある
行きたいところへ 自分で歩いてゆける
手をのばせばなんでも取れる
音が聞こえて 声がでる
こんな幸せはあるでしょうか
しかし だれもそれを喜ばない
あたりまえだ と笑ってすます
食事が食べられる 夜になるとちゃんと眠れ
そして朝がくる 空気を胸いっぱいに吸える
笑える 泣ける 叫ぶこともできる
走りまわれる みんなあたりまえのこと
こんな素晴らしいことを みんなは決して喜ばない
そのありがたさを知っているのは
それを失くした人たちだけだ
なぜでしょう あたりまえ
※井上和清
1947年富山県に生まれる。
岸和田徳洲会病院の内科医として勤務。
1977年、右膝の悪性腫瘍の転移を防ぐため、
右足を切断するも、両肺に転移。
1979年1月、32歳の若さで他界した。