■大岡越前守忠相の名言
『 松が枝の 直ぐなる心 保ちたし
柳の糸の なべて世の中 』
世の中は柳のように流れるが、
私は松のように真っすぐでありたい。
1549 「吉村外喜雄のなんだかんだ」
歴史から学ぶ 「大岡越前守」
テレビでおなじみの、大岡越前守忠相の「大岡さばき」
19年間江戸南町奉行を勤め、公正で人情味のある裁定
を行う奉行として、その名を知られた。
大岡裁き「三方一両損」の逸話は、2005年6月
281号で紹介しましたが、大岡政談の多くは、
後の世に作られたもので、大岡が直々取り調べをしたの
は、亭主殺し未遂事件を扱った「白子屋お熊事件」など、
わずかだったという。
「自分の子だ」と、それぞれ主張する二人の女に、
子どもの腕を引っ張らせ、勝った方を実母とする裁定を
下し、勝った女には「本当の親なら、痛がる子を無理
やり引っ張るはずがない」と、偽りの母親を見破った話
は、よく知られている。
しかし、これは実際にあった話ではなく、中国・宋代の
裁判話から拝借したもので、旧約聖書にもよく似た話が
あるという。
大岡越前守といえば、お白州でのお裁き姿が目に浮かぶ。
実際は今でいう、東京都知事、警視総監、地検判事、
消防庁長官を務め、そのほか、財務相、経済産業相、
公正取引委員長なども兼務する、猛烈多忙な役職を
こなしていたのです。
江戸市中で多発する犯罪の取調べや裁判は、配下の
25人の与力が行い、奉行はそれを追認するだけ・・
というのが現実の姿なのです。