■為せば成る
〇武田信玄は・・
『 為せば成る 為さねば成らぬ 成る業を
成らぬと捨つる 人のはかなさ 』
物事は、強い意志を持って取り組まなければ
何事も実現できない。
努力することなく、最初から無理だと諦めて
しまうところに、人の心の弱さがある。
〇米沢藩主・上杉鷹山は・・
『 為せば成る 為さねば成らぬ 何事も
成らぬは人の 為さぬなりけり 』
〇山本五十六は・・
『やってみせ 言って聞かせて させてみせ
ほめてやらねば 人は動かじ 』
1544 【吉村外喜雄のなんだかんだ】
「優れたリーダーとは」
「平民宰相」と呼ばれた原敬は、とかく自説に固執して
論争を辞さなかった。性格や言動に角があって、
人との調和に欠けるところがあった。
その後、政友会総裁になてからは、別人のように温顔に
微笑をたたえ、他人の言葉に寛大に耳を傾ける包容力を
示すようになった。 こんな逸話がある・・
♪ある夜、後輩の政治家が原の私邸を尋ねた。
意見の食い違いから激論となり、訪問客は憤然として
飛び出した・・門を出ようとした時、原が背後から呼び
止めた。
「気をつけて帰り給え。門を出ると直ぐ大きな穴がある
から、落ちないように用心したまえ」
直前までの激論を忘れたような、温情の籠った注意だっ
た。
確かに暗闇には、道路工事でできた大きな穴があった。
後輩政治家は原のこの言葉に感動し、じ来原に心服する
ようになった。
原はどんなに後輩を叱った後でも、必ず玄関まで送った。
冬の寒い日などには「風邪を引くなよ」と優しい言葉を
かけるのを忘れなかった。
ごくささやかな所作の中に、大切なものを見るのです。
昭和電工の大橋光夫が社長の時、ひん死の昭和電工を
よみがえらせたことで知られるが、若い頃は劣等感に
悩まされていたという。
しかし、劣等感に悩まされたからこそ、若い人や弱者の
声に耳を傾ける習慣が身についたのでしょう・・
頼りなさが、社員の団結を強める一助になったのでは
なかろうか。
優秀な才能で組織を率いていくだけでは、優れたリーダ
ーにはなり得ない。
率いられていく人々に「自分たちがいなくては」と思わ
せることに、その秘訣がある。
読売新聞「五郎ワールド」より
※原敬(はらたかし)
大正7年第19代内閣総理大臣に任命され、
大正10年11月東京駅で暗殺されるまで、
日本最初の本格的政党内閣を率いた。